第9回 古々粋亭天満天神寄席のご報告
2022年5月15日(日)、奈良市の「落語喫茶古々粋亭」さんで第9回『古々粋亭天満天神寄席』を開催しました。
ご来場数は演者の知人友人の皆様に加え、会員のみょう雅さんを含め12名でした。
いつもよりやや少なかったのですが、その分、古々粋亭さん名物の美味しいコーヒー等をゆっくり頂きながら落語を楽しんで頂けました。
紅梅亭 梅紅 『桃太カ』
お馴染みの演目です。子供が大人なぶりをする噺ですが、
子供の説明が理路整然としているので嫌みにならず万人受けする噺になっています。
天満家 芝楽 『雁風呂』
「水戸黄門漫遊記」を題材にした講談をもとに作られた噺と言われています。珍しい演目ですが、
YouTubeで米朝と圓生(映像有り)で見ることができます。聞き比べてみるのも一興です。
八軒家 裕次郎 『胴乱の幸助』
「胴乱」とは、皮や布の四角の袋で、印章や薬などを入れて腰に下げるものです。
噺の内容には、ほとんど関係無いので「喧嘩の仲裁」としている噺家さんもいます。
噺の後半で浄瑠璃の「桂川連理柵(れんりのしがらみ)」の「帯屋」の段が出てきます。ここは中々難しい場面です。
天神亭 岩塩 『漢詩されていますか?』
桂あやめ師匠の作です。岩塩さんが、師匠から頂いたそうです。
噺の筋立ては「千早振る」と同様ですが、より複雑です。
また、高座の写真をご覧になると分かるように、演者から「漢詩」を書いたパネルが見えません。ここが演者の腕の見せ所です。
天満家 うつぼ 『猿後家』
先代桂文枝の十八番でした。今、演じられているのは、ほぼ文枝の流れと思います。
奈良の地名が出てくる噺は多くないのですが、この噺には奈良名所(猿沢の池)が出てきます。
この噺は今風に言えば、ルッキズム( lookism:looks(外見、容姿)+ism(主義)で外見至上主義の意)に
満ちた噺と言えるかも知れません。
丁稚の応対が健気なので噺が暗くならないのが救いです。
<次回開催に向けて>
さて、次回は第10回目の開催となります。
昨年と同様、奈良県が推進する「奈良県みんなで楽しむ大芸術祭」の参加イベントに登録する予定です。
また、これまで9回の寄席では18名の演者により44席を演じましたが、演目の重複はありませんでした。
そこで10回目の公演は6席とし、演目の重複無しで50席を実現したいと思っています。
開催日は10月9日(日)の予定です。よろしくお願いします。
以上(八軒家裕次郎)