第七回 古々粋亭天満天神寄席のご報告
当会では、2017年より奈良の「落語喫茶古々粋亭」で定期的に落語会を開催して参りました。
昨年10月に第七回目の会を開催する予定でしたが、台風19号の影響で延期致しました。
そして今年5月に再度公演を計画しましたが、新型コロナウイルス感染拡大のため、再度延期を致しました。
今回は2度に渡る延期を乗り越えて、2020年10月18日に開催致しました。
二度あることは三度ある、との例えを物ともせず、また前日の冷たい雨模様とは一転、好天にも恵まれました。
新型コロナウイルス感染予防対策を図りながら、事前にご予約を頂いた16名の皆さまに落語をご披露することができました。
前座は裕次郎の「鹿政談」。
奈良を舞台とした噺で、奈良在住の裕次郎としては、一度は演じたいと思っていました。
この噺は、本題に入る前の仕込みが大事で、必要な事を言い忘れると落ちが分かり難くなります。
今回は、仕込みに気を取られ過ぎて、本題で少しバタバタしてしまいました。
中トリは、蝶九さんの「親子茶屋」。「ハメモノ」が入った賑やかな噺です。
親旦那が宗右衛門町に差し掛かってからは、清元の「梅の春」、お茶屋遊びの場面では、「狐釣りの囃子」が入ります。
今回は、生演奏が出来ませんでしたので、事前に録音したものを岩塩さんが噺に合わせて巧みに流し、噺を盛り上げました。
モタレは、岩塩さんの「長短」。
最近は上方でも演じる人がありますが、元々江戸の噺で、岩塩さんも江戸弁での高座でした。
ネタおろしでしたが、気の短い男と、気の長い男との不思議な友情(?)が醸し出されたように思いました。
トリは、芝楽さんの「ねずみ」。
左甚五郎が登場する噺は、「竹の水仙」「三井の大黒」「左甚五郎作」等がありますが、この噺は人情話の雰囲気もあり、寄席でもよく演じられます。
芝楽さんも何度も演じており、特に落ちのねずみが大変可愛いので、後味の良い噺になっています。
今回も、落語喫茶古々粋亭の井上マスターには、大変お世話になりました。
古々粋亭さんも開店から4年となり、プロの落語会も当初は若手中心でしたが、
最近は、中堅・ベテランに至るまで数多くの方が出演されており大変盛況です。
古々粋亭さんの今後の益々のご発展をお祈りします。
八軒家裕次郎 記