第8回まぁどんな寄席
(第4回ワッハ上方天満天神寄席)開催
令和2年9月から始まった「ワッハ上方天満天神寄席」も令和4年2月26日で四回目となりました。
今回はコロナ禍で2回開催を断念した「まぁどんな寄席」として開催しました。
3月3日の「桃の節句」は女の子の成長を祝う行事ですが、「まぁどんな寄席」は
成長した「女の子」による華やかな落語会となりました。
会場もひな祭の飾りで賑やかに仕立てて楽しい雰囲気で開催できました。
一番手は天津亭狂女さんの「みかん屋」。
「みかん屋」は、「道具屋」「動物園」「米揚げ笊」「牛ほめ」などと同じ趣向(仕事を紹介する)の噺です。
「みかん屋」は仕草も多く、登場人物も多いので意外と手強い噺ですが、しっかり演じ切りました。
二番手は天神亭つき日さんの「金明竹」。
この噺は、早口言葉のような長いセリフを何度も繰り返すことで笑いを取りますが、
プロでもその場面で絶句することがある「危険」な演目です。
つき日さんは、けいこ会の成果もあり、あとは度胸で無事務めました。
三番手は天神亭みょう雅さんの「星野屋」。
元々は東京の噺ですが小佐田定雄さんが大阪を舞台に脚色したものが大阪でも演じられています。
みょう雅さんは、高座に上がるなり「カムカムエヴリバディ♪・・」と歌い出し、
英語版「星野屋」か!と会員一同息を飲みましたが・・・歌だけで終わりました。
中入り後の四番手は天神亭真ん紀さんの「千早振る」。
この噺と同様の噺は、「鶴」「浮世根問」「平の陰」「やかん」「十徳」などがあります。
「ちはやふる」は、和歌の枕詞ですが、この噺では千早太夫が「振る」とこじつけています。
「千早」は、花魁の源氏名。源氏名は「源氏物語」の帖名から取ったそうですが、
後には和歌の枕詞なども使ったようです。
真ん紀さんはネタ下ろしでしたが、それを感じさせない高座でした。
トリは、天神亭縁花さんの「幾代餅」。東京の郭話として有名な噺です。
同様の噺に「紺屋高尾」がありますが、これは大阪落語の「高尾(別名:反魂香)」とは別の噺です。
「幾代」は、吉原遊郭の花魁「幾代太夫」の源氏名。
縁花さんは、主人公と太夫の心情が観客の心に届く人情噺と演じました。
今回の観客数は15名で、会員の参加者は7名(飄々・小道・蝶九・神山・賢之輔・裕次郎・岩塩)でした。
笑いも多く、沢山の拍手も頂きました。演者のお稽古の成果が出たと思います。
最後になりましたが、今回もワッハ上方の皆様にお世話になりました。
ありがとうございました。
以上(八軒家裕次郎)